
ノーザンファームミックスセール2026の当歳(0歳)セッションが10月19日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。111頭の上場に対して105頭が落札され、売却率は94.6%。売上総額は60億6050万円、主催者公表の平均価格は5772万円だった。金額はすべて税抜き。
最高価格はNo.90「プレインチャントの2026」(牡、父キタサンブラック)の2億3000万円。購買者は近藤旬子氏だった。ただし、セール全体を読むうえでは「売上が増えた」と「1頭当たりの価格が上がった」を分ける必要がある。2025年と比べて総額は39.6%増えた一方、落札頭数で割った平均価格は12.3%下がった。
2025年との比較:売上総額は39.6%増、平均は12.3%減
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| 項目 | 2026年 | 2025年 | 前年差・前年比 |
|---|---|---|---|
| 実上場頭数 | 111頭 | 66頭 | +68.2% |
| 落札頭数 | 105頭 | 66頭 | +59.1% |
| 売却率 | 94.6% | 100.0% | −5.4ポイント |
| 売上総額(万円) | 606,050 | 434,200 | +39.6% |
| 平均価格(万円・再計算) | 5,771.9 | 6,578.8 | −12.3% |
| 最高価格(万円) | 23,000 | 46,000 | −50.0% |
総額が増えた背景として数字で確認できるのは、落札頭数が66頭から105頭へ59.1%増えたことだ。取引頭数が増え、1頭当たりの平均は低下したという二つの変化を同時に押さえたい。最高価格も前年の4億6000万円から半分になっているため、総額だけを根拠に「全体が一段と高騰した」とは判断できない。
一方、平均の低下だけで全体の需要が弱まったとも言い切れない。上場馬の血統・性別・個体構成が前年と異なり、同じ馬を追跡した価格指数ではないからだ。売却率94.6%と高額落札馬の顔ぶれを併せて見るのが適切だろう。
比較表の平均は、両年とも売上総額÷落札頭数から万円単位で再計算し、小数第1位に丸めた。2026年の公表平均5772万円との差は丸めによる。2025年の公式公表平均は65,787,879円で、「6578万円」と切り捨てず、同じ精度で比較している。
高額落札馬一覧:1億1000万円以上の11頭
以下は1億1000万円以上で落札された全11頭。価格順に掲載し、同額の場合は上場番号順とした。購買者名は公式結果の表記に従い、空白のみ整えた。血統・性別は各馬の公式ブラックタイプとも照合した。
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| No. | 馬名 | 性別 | 父 | 落札価格(万円) | 購買者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 90 | プレインチャントの2026 | 牡 | キタサンブラック | 23,000 | 近藤 旬子 |
| 113 | シェイリーンの2026 | 牡 | エピファネイア | 19,000 | 金子真人ホールディングス(株) |
| 33 | シンプリーグロリアスの2026 | 牡 | スワーヴリチャード | 16,000 | 藤田 晋 |
| 31 | カシェイの2026 | 牡 | キタサンブラック | 15,000 | 金子真人ホールディングス(株) |
| 60 | エンスローリングの2026 | 牡 | Camelot | 15,000 | 国本 哲秀 |
| 64 | エリーシエズワールドの2026 | 牡 | キズナ | 15,000 | エムズレーシング |
| 19 | ゴーイングトゥベガスの2026 | 牝 | キズナ | 13,000 | 藤田 晋 |
| 23 | シーウィルレインの2026 | 牡 | イクイノックス | 13,000 | 今福 洋介 |
| 13 | シーズアタイガーの2026 | 牝 | イクイノックス | 12,500 | 金子真人ホールディングス(株) |
| 29 | コーステッドの2026 | 牡 | ドウデュース | 11,500 | 髙木 翔太 |
| 1 | マースの2026 | 牡 | キズナ | 11,000 | 今福 洋介 |
1億円以上の落札馬は計16頭。この表の11頭に、1億500万円のNo.5・7・9・30と、1億円のNo.21が加わる。「高額11頭」を「1億円以上の全頭」と取り違えないようにしたい。
最高価格馬と注目血統をどう読むか
No.90:キタサンブラック産駒が最高2億3000万円
プレインチャントの2026は、2位のシェイリーンの2026を4000万円上回る最高価格だった。公式ブラックタイプによると、母プレインチャントはフランスで4勝を挙げ、クリテリウム・ド・メゾンラフィットG2、エクリプス賞G3を勝っている。母自身の実績は短距離の重賞勝ちであり、「母がG1馬」と読み替えるのは誤りだ。
キタサンブラック産駒ではNo.31カシェイの2026も1億5000万円で落札された。ただし、今回の高額馬だけから種牡馬全体の平均価格や将来の競走成績を推定することはできない。
No.113:エピファネイア産駒、母と祖母の実績を区別
シェイリーンの2026は1億9000万円で金子真人ホールディングス(株)が落札。母シェイリーンは国内4勝で、錦S(芝1600m)、蓬莱峡特別(芝1800m)などを勝った。本馬は第2仔に当たる。ブラックタイプに記載される重賞実績を読む際は、母シェイリーンと祖母Amen Hallelujahを混同しないことが大切だ。
イクイノックス産駒2頭と、コーステッドの2026
イクイノックス産駒ではNo.23シーウィルレインの2026が1億3000万円、No.13シーズアタイガーの2026が1億2500万円。前者は牡、後者は牝で、母はいずれも海外G1勝ち馬だ。落札額の比較には性別や母系の違いも含まれる。
ドウデュース産駒のNo.29コーステッドの2026は1億1500万円。母の産駒にはダノンベルーガ、ボンドガール、ダノンヒストリーがいる。本馬は父が異なる3頭の半弟で、同じ父母の全弟ではない。ダノンヒストリーを含む今秋の3歳馬の状況は、菊花賞2026の展望でも整理している。近親の活躍と当歳馬自身の将来性は分けて評価したい。
名簿113頭と実上場111頭の違い
名簿上の当歳馬は牡65頭・牝48頭の計113頭。欠場したNo.51「グローバルビューティの2026」とNo.65「アルミラの2026」はいずれも牡のため、実上場111頭の内訳は牡63頭・牝48頭となる。
主取はNo.15・37・52・70・104・109の6頭。欠場2頭はそもそも実上場頭数に含めず、売却率は105÷111=94.6%と計算する。名簿113頭を分母にすると公式の売却率とは一致しない。
翌20日は繁殖牝馬セッション:当歳結果と分けて確認
主催者が案内する日程は、10月19日が当歳、20日が繁殖牝馬という2日間。繁殖牝馬セッションは20日11時開始予定だ。本記事の60億6050万円は19日の当歳のみの売上で、翌日の取引を合算した開催全体の総額ではない。
主催者は19日付の活躍馬情報で、当セール取引馬モンローウォークのG1勝ちを紹介している。前日の競走を振り返る際は10月18日の中央競馬結果回顧も参照されたい。卒業馬の活躍は注目材料だが、それが今回の売上増を引き起こしたという因果関係は、公開された結果表だけでは確認できない。
出典と集計方法
集計と購買者名は主催者・2026年公式結果、前年比較は2025年公式結果による。日程・会場は主催者公式サイト、名簿と各馬のブラックタイプは公式上場馬一覧で確認した。
表に掲載した11頭の血統資料:No.90、No.113、No.33、No.31、No.60、No.64、No.19、No.23、No.13、No.29、No.1。確認時点は2026年10月19日夕方(日本時間)。主催者の後日の訂正があれば公式結果を優先する。価格から馬券成績・収益・競走能力を保証するものではない。